「自分はまだまだ足りない」「もっと頑張らないと」そう思っている方に共通するのは、「完璧主義」ということ。
「それ私のこと!」と自覚がある完璧主義もあれば、むしろ自覚がなく、むしろ「私なんてダメダメで、完璧主義とは真逆だよ」と感じていることもあります。
完璧主義というと一般的には「妥協なく努力して高い成果を出している」というイメージが持たれがちですが、実は必ずしもよい結果をもたらすとは限りません。
ここでは、
- よい結果をもたらすプラスの完璧主義
- よくない結果をもたらすマイナスの完璧主義
- 本人にまったく自覚がなく、行動しない完璧主義
この3つについてお話します。
よい結果をもたらすプラスの完璧主義
これは一般的にイメージされる「完璧主義」のことです。
アスリートのように、妥協を許さずに高みを目指していたり、
仕事にとことん向き合ってより高い成果を出していたり、
この場合、自分の意思で行動しているため、苦痛には感ることはありません。
やればやるほどさらに高みを目指したくなり、モチベーションも維持しやすい特長があります。
一方で、、、
よくない結果をもたらすマイナスの完璧主義
マイナスの完璧主義は、プラスの完璧主義とは“真逆の結果”をもたらします。
例えば、
- できない自分が大嫌いだから、完璧にこなそうとする
- 人からの期待に応えない自分はダメだから、期待を越えようとする
- 完璧じゃない自分を見せたくないから、これでもかと頑張ってしまう
- 「自分はまだまだ」だから、努力をする
という特徴があります。
妥協という妥協ができないので、納得がいかなくて残業したり、ミスする度に自分が嫌になり、ツラい気持ちになります。
「完璧が当たり前」と思っているため、少しでもできないと自分を責めてしまいます。
「完璧にやろう」とするあまり緊張が高まり、結果的に失敗をしてしまったり、気持ちが疲弊してしまったりと、頑張っている割には進みが遅くなります。
本人にまったく自覚がない、行動しない完璧主義
マイナス完璧主義の中でも、本人にまったく自覚がなく、しかも「何も行動しない」のに実は完璧主義というケースもあります。
このタイプの場合、
- 「できないくらいならやらないほうがマシ」と思って、やらない
- 「どこからやっていいか分からない」ので、先延ばしにしてしまう
- 「ちゃんとできるようになってからやろう」と思って、いつまでもできない
- 何か指摘されるのが嫌で提出できず、いつも締切を守れない
過度の不安やプレッシャーを感じて行動できなくなったり、締切ギリギリまで「先延ばし」したりすることがあります。
「私ってこんなこともできない…」と自己嫌悪になり、
「まだまだ頑張りが足りないんだよね」とさらに自分を追い込んでしまう・・・
その結果、ヘトヘトになって結局できなくなる、というループを繰り返してしまいます。
「100点以外は0点」という考え方が身に染み付いているので、
どうせ0点なんだからやらないほうがマシと思ってやらない。
はたから見れば「やらない人」「ズボラな人」に見えますが、実は『完璧主義』な考え方がそうさせているのです。
プラスの完璧主義とマイナスの完璧主義の違いは「動機」にあり
いずれのタイプも「完璧主義」という意味では同じですが、プラスかマイナスかを分けているのは、その「動機」にあります。
プラスの完璧主義は、自分が得たいものが明確で「○○がほしい!」という動機から努力しているため、やればやるほど気持ちがよく、よい結果をもたらします。
しかし、マイナスの完璧主義の場合、
- 自分はまだまだ」だから
- できない自分が嫌いだから
- 人から指摘されたくないから
- ダメなやつと思われたくないから
このように、◯◯が嫌だからというマイナスの動機から頑張ってしまうので、いつまで経っても満たされることがありません。
やればやるほど気持ちが疲弊し、その結果、自分だけでなく周りの人も振り回してしまうため、理想の人生から遠ざかってしまいます。
マイナスの完璧主義を克服する方法
もしあなたが、マイナスの完璧主義のことでお悩みなら、
必要なことは、できない部分をできるようにすることでも、短所を克服することでもありません。
なぜなら、私たちはみな不完全で、どれだけ頑張っても完璧にはなれないからです。
ですから、まずは、
「できない自分がいてもOK」
「上手く行かなくても次に活かそう」
そう思えるようになることが大切なのです。
自分のことをマイナスに見てしまうのは、長年かけて身についた習慣なので、一人で変えるのは難しいものです。
でも、習慣だからこそ、今までと違う捉え方・考え方・感じ方を意図的にしていくこで、変わることができます。